10年以上増配を継続している銘柄で構成されるVIG。将来的な配当金の増加を狙うのであれば、VIG以外に選択肢はないんじゃないかと、配当金投資にぴったりなETFとなっています。一方、直近の配当利回りはあまり期待できません。私みそが他の高配当ETFの比較含め、基礎知識や投資タイミングなどをお伝えします。強みや弱みを含めて投資の参考になればと思います。
VIGに投資をする時、連続増配だから、長期的な配当金投資には良さそうだから、と耳にした理由だけでなんとなく投資をしていないでしょうか。
もちろん上記のことは事実ではありますが、他の高配当株ETFとの違いなどを理解しておかないと、思っていたよりと違ったという結果になりかねません。
VIGにおけるこれまでのデータ、そして他の高配当株ETFであるVYM/HDV/SPYDとも比較していますので、ぜひアナタに合う銘柄であるかを確認して運用を決めてくださいね。
この記事でわかること
VIGの構成銘柄・セクター比率
株価・配当金・配当利回り推移(VYM/HDV/SPYD比較あり)
VIG購入タイミング
みその分析まとめ
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目次
【VIG】バンガード・米国増配株式ETFの特徴とは
VIG特徴まとめ
10年以上増配している銘柄で構成
分配金も株価も長期的に上昇傾向
増配に重きを置いているため配当利回りはやや低めだが、経費率も低め
歴史がありリーマンショック経験済
ここからは詳しく分析していきましょう。
基本情報
設定日:2006年4月21日
株価:130.485ドル
経費率:0.06%
12ヶ月利回り:1.70%(2019年12月,2020年3月,6月,9月の分配金合算)
配当頻度:3,6,9,12月
※2020年10月5日時点
高配当ではなく、連続増配に重きを置いているETFであるため配当利回りは低めです。
一方経費率は最安クラスであるため、トータルリターンでは期待できますね。
構成銘柄・構成セクター比率特徴
まずは構成銘柄から見てみましょう。
マイクロソフト、ウォルマート、P&G、、、有名な大型株がずらっと並んでいますね。
10年以上増配が続いている増配株かつ大型株だと安心感が大きいですね。
次の業種別構成割合を見れば、VIGの特徴が色濃く出ていることがわかります。
他の高配当ETFなどと比べて消費サービスがトップであるということが大きな特徴です。
どうしても消費サービスは高配当ではないため、構成比率は低くなりがちですが、増配年数10年以上という観点から見ると数多くの銘柄が含まれていることがわかります。
高配当ETF常連である金融ですら6番目の構成比率なので、ある程度の配当利回りの低下は仕方がないですね。
配当金推移
リーマンショック以降、きれいな右肩上がりで配当金は推移してきました。
コロナ禍においても影響は軽微でしたね。今後も伸び続ける予想はできるでしょう。
株価と配当利回りの推移
過去の平均から見ると投資タイミングとしては配当利回りが2%以上ある時に投資をしたいですね。
ただしそもそも高配当ETFではないため、配当利回りに拘って投資をするのではなく、リーマンショックやコロナショックのように全体的な暴落相場の時、もしくは定期的な積立でVIGを取得していくのが良いのではないかと思います。
もちろん配当利回りは過去も今も比較的維持していることに加え、株価も分配金も上昇していることを考えると、将来的なキャピタルゲイン(決済利益)も狙えるでしょう。
【参考】配当利回り比較(VIG・VYM・HDV・SPYD)
有名な高配当ETFと肩を並べてみましたが、VIGはもともと高配当と主張しているわけではないので、妥当な結果ですね。
直近の配当利回りの低下は分配金の上昇よりも株価の上昇の方が高い、ということが理由でしょう。
配当利回り比較
VYM :2.4〜3.8%
HDV :1.6〜4.6%
SPYD:3.5〜7.3%
VIG :1.7〜2.4%
上記の結果を見ると、配当を目的とした投資であればVIGの選択は微妙ですね。
配当金投資によるFIRE(早期リタイア)を目指し、短期的なインカムが欲しい場合は他の高配当ETFを選択すべきだと思います。
【参考】トータルリターン比較(VIG・VYM・HDV・SPYD)
2015年SPYDが運用されてからの比較をしていますが、トータルリターンではVIGが圧倒的なトップでした。
コロナ禍においてもすぐに株価は調子を戻し、大きく差を広げていますね。
もちろん今もコロナ禍であるため、今後それぞれのETFがどのような推移で動くのかは不明点がありますが、これまでのVIGの分配金増加、株価の上昇傾向を考えると今後もVIGのトータルリターンは見込めそうです。
分配金は8年で倍増しています(2012年6月 0.31ドル→2020年6月 0.60ドル)、株価はも倍増しています(2012年6月 56ドル→2020年6月 117ドル)
もし10年以上にもわたる長期的視野を持つのであれば、VIGは配当金投資でも選択肢になりますが、短期的な配当によるインカムは望めなさそうですね。
FIREのため短期的な分配金が欲しいのか、長期的なリターンを狙うのか、投資目的によってSRETに投資するかは判断しましょう。
VIG購入タイミングの目安
購入タイミング
毎月決まった金額を機械的に購入する
安くなった時にまとめて購入する
一番簡単なのが定期積立ですね。例えば毎月25日(給料が入った直後)3万円分購入する。このようにすれば相場の上下に影響されることなく、投資をすることができます。
特に今回コロナショックを目の当たりした人はわかると思いますが、いつ底なのかがわからないんですよね。二番底が来ると思ったら、この記事執筆時点では大きな二番底はきていません。そのため人の判断が伴わない機械的に投資をするということも評価されています。
一方、安くなった時にまとめて購入するのは王道ですね。もし2020年3月23日の大底で大きく購入することができたら配当利回りだけでなく含み益も多く発生しています。
ただそんなことは難しいと思うので、基準としては配当利回りが2%を超えたタイミングが目安ですね。
もしくはそもそも高配当ETFではないため、配当利回りに拘って投資をするのではなく、リーマンショックやコロナショックのように全体的な暴落相場の時、もしくは定期的な積立でVIGを取得していくのが良いのではないかと思います。
またVIGの場合、定期積立も積極的に選んで良いと思います。株価それほど動きませんからね。
タイミングを待たずにさっさと投資をして、毎月配当を得る方を選んでも良いでしょう。
【VIG】みその分析まとめ
VIG分析まとめ
短期的なインカムを目的とした配当金投資によるセミリタイアを狙うのであれば選択は微妙
ただし長期的なトータルリターンは大きく期待できる
10年以上増配している銘柄で構成されているため、今後の配当金の増加は見込める
VIGは高配当ETF(VYM/HDV/SPYD)を調べた先に行き着く銘柄ですね。配当金を求める一方、VTIのようにある程度株価の上昇も欲しい、と思った時に見つかります。
悪く言えばどっちつかず、ということになるかもしれませんが、これまでの分配金増配、株価上昇を考えると、非常に優秀なETFであることがわかります。
一方、FIRE(早期リタイア)を狙う人にとっては短期的な配当利回りの高さは必要になります。
VIGは株価の上昇とともに今保有するポジションの利回りが高くなる、という長期的な視野が必要になります。
そのためFIREできる最短の銘柄ではないことは頭に入れておきましょう。
ただし短期的な配当利回りはいらない、例えば10年後、20年後にリタイアしたい、など長期的な視野に立っているのであれば、VIGはベストな選択肢になるでしょう。
もしくはすでに配当金生活には目処がついていて、より遠い将来もらえる配当金に対する保険という意味でも活躍できると思います。
最終的には長期的なリターンを狙うのか、短期的なインカムを狙うのか、またどのくらい資産を持っていて、どのタイミングで、どのくらいの配当金が欲しいか、によって投資先は変わりますので、一つの参考として捉えていただけると嬉しいです。
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米国ETFに関する記事はこちらから
米国高配当ETF
1.SPYD:S&P500に採用され配当利回りTOP80銘柄で構成(配当利回り3.4〜8.5%)
2.HDV:エネルギー/通信/ヘルスケアセクター(配当利回り1.6〜4.6%)
3.VYM:400以上の銘柄で構成/リーマンショック経験済(配当利回り2.4〜3.8%)
米国指数ETF
4.VT:米国を含む先進国および新興国約47ヵ国の大型・中型・小型株約8,000銘柄で構成
5.VTI:米国市場3,500銘柄で構成
6.VOO:S&P500指数の銘柄で構成
7.QQQ:ナスダック100指数の銘柄で構成
REIT/不動産ETF
8.SRET:世界リート配当利回りTOP30で構成(配当利回り7.2〜18.2%)
9.IYR:米国不動産銘柄で構成/ブラックロック (配当利回り〜%)
10.IFGL:米国除く世界不動産銘柄で構成/ブラックロック (配当利回り2.5〜12.3%)
11.RWR:米国不動産銘柄で構成/ステートストリート(配当利回り2.4〜11.0%)
12.RWX:米国除く世界不動産銘柄で構成/ステートストリート(配当利回り2.3〜11.1%)
社債/債権ETF
13.LQD:2,000以上の社債で構成(配当利回り2.9〜5.8%)
14.AGG:主にAAAランク信用格付社債で構成(配当利回り1.9〜4.6%)
15.BND:約6割が国債で構成(配当利回り1.6〜3.9%)
その他ETF
16.VIG:連続増配10年以上の米国銘柄で構成(配当利回り1.7〜2.4%)
17.DVY:100銘柄好配当銘柄で構成(配当利回り2.9〜8.1%)
18.PFF:金融機関構成比率多め/配当利回り安定(配当利回り5.2〜14.5%)
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