米国高配当株ETFの中で安定して分配金が増加しているDVY。コロナショックで大きく株価は下落しましたが、分配金はそこまで大きな影響はなく配当利回りもキープしています。VYMなど他の高配当ETFが台頭する中、注目度が低いですが、私みそがDVYの基礎知識や投資タイミングなどをお伝えします。強みや弱みを含めて投資の参考になればと思います。
DVYに投資をする時、配当利回りが高いから、という理由だけでなんとなく投資をしていないでしょうか。
もちろん上記のことは事実ではありますが、他の高配当株ETFとの違いなどを理解しておかないと、思っていたよりと違ったという結果になりかねません。
DVYにおけるこれまでのデータ、そして他の高配当株ETFであるVYM/HDV/SPYDとも比較していますので、ぜひアナタに合う銘柄であるかを確認して運用を決めてくださいね。
この記事でわかること
DVYの構成銘柄・セクター比率
株価・配当金・配当利回り推移(VYM/HDV/SPYD比較あり)
DVY購入タイミング
みその分析まとめ
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目次
【DVY】iシェアーズ 好配当株式 ETF の特徴とは
DVY特徴まとめ
分配金も株価も長期的に上昇傾向
米国ETFの中でも比較的高配当利回りだが、経費率やや高め
構成銘柄の選定基準により株価の上昇率は低め
歴史がありリーマンショック経験済
ここからは詳しく分析していきましょう。
基本情報
参考:https://globalxetfs.co.jp/funds/sret/
設定日:2003年11月3日
株価:82.57ドル
経費率:0.39%
12ヶ月利回り:4.24%(2019年12月,2020年3月,6月,9月の分配金合算)
配当頻度:3,6,9,12月
※2020年10月3日時点
経費率は他の高配当株ETFと比べるとやや高いですが、その分配当利回りも高くなっています。
とは言え、VYMやHDV、SPYDとの比較が気になる所だと思うので、一緒に確認していきましょう。
構成銘柄・構成セクター比率特徴
まずは構成銘柄から見てみましょう。
タバコで有名なアルトリア「MO」/フィリップモリス「PM」、携帯大手AT&T「T」などは高配当でも有名です。
次の業種別構成割合を見れば、DVYの特徴が色濃く出ていることがわかります。
金融、公益事業で約半分を占めていることから、非常にお堅い銘柄で構成されていることがわかります。
金融においては比較的配当利回りが高いため、他の高配当ETFでも多く採用されていますが、公益事業が多く占めていることはDVYの特徴になるでしょう。
配当金推移
リーマンショック以降、きれいな右肩上がりで配当金は推移してきました。
コロナ禍においても影響は軽微でしたね。今後も伸び続ける予想はできるでしょう。
株価と配当利回りの推移
過去の平均から見ると投資タイミングとしては配当利回りが3.5%以上ある時に投資をしたいですね。ただし現在はコロナの影響により見かけの配当利回りが高くなりがちです。上記の配当利回りは直近4回の配当金を元に計算しているので、コロナ前の配当金も含んでいるからです。
配当利回りは過去も今も比較的維持していることに加え、株価も分配金も上昇していることを考えると、将来的なキャピタルゲイン(決済利益)も狙えるでしょう。
【参考】配当利回り比較(DVY・VYM・HDV・SPYD)
有名な高配当ETFと肩を並べてみましたが、DVYは他の高配当ETFと比べても遜色なく高い利回りをつけています。
SPYDには劣りますが、VYMよりも配当利回りを高くキープし続けていることは、DVYの知名度から考えても予想以上でしょう。
配当利回り比較
VYM :2.4〜3.8%
HDV :1.6〜4.6%
SPYD:3.5〜7.3%
DVY:2.9〜8.1%
上記の結果を見てもDVYはポートフォリオの一部に入れても問題はなさそうですが、全力投資は避けましょうね。
ただその上で配当金投資によるFIRE(早期リタイア)を目指す場合はDVYに一部投資をする選択肢はありだと思います。
【参考】トータルリターン比較(DVY・VYM・HDV・SPYD)
2015年SPYDが運用されてからの比較をしていますが、基本的にはSPYDがトップを走っていました。
SPYD株価の上昇はほぼなかったですが、配当金の多さで優勢でしたからね。
ただし、コロナによる株価下落、安定性を含め、トータルリターンではDVYが首位に躍り出ました。
コロナ禍において今後それぞれのETFがどのような推移で動くのかは不明点がありますが、これまでのDVYの分配金増加、株価の上昇傾向を考えると今後もDVYのトータルリターンは見込めそうです。
経費率や人気度も考慮すると、VYMが対抗馬になりますね。
こちらもリーマンショックを乗り越え、株価も分配金も上昇し続けている銘柄ですからね。
ただし、圧倒的な高配当ではありません。
FIREのため短期的な分配金が欲しいのか、長期的なリターンを狙うのか、投資目的によってSRETに投資するかは判断しましょう。
DVY購入タイミングの目安
購入タイミング
毎月決まった金額を機械的に購入する
安くなった時にまとめて購入する
一番簡単なのが定期積立ですね。例えば毎月25日(給料が入った直後)3万円分購入する。このようにすれば相場の上下に影響されることなく、投資をすることができます。
特に今回コロナショックを目の当たりした人はわかると思いますが、いつ底なのかがわからないんですよね。二番底が来ると思ったら、この記事執筆時点では大きな二番底はきていません。そのため人の判断が伴わない機械的に投資をするということも評価されています。
一方、安くなった時にまとめて購入するのは王道ですね。もし2020年3月23日の大底で大きく購入することができたら配当利回りだけでなく含み益も多く発生しています。
ただしそんなことは難しいと思うので、基準としては配当利回りが3.5%を超えたタイミングが目安ですね。配当利回りの推移を見ても3.5%は定期的に発生しますので定期積立とはならなくても、細かくまとめ買いができるタイミングとなります。
【DVY】みその分析まとめ
DVY分析まとめ
配当金投資によるセミリタイアを狙うのであれば投資OK
ただし全力投資は危険なので、ポートフォリオの中核ではなく一部に留める
経費率の高さは気になるので、VYMでも代用可という考え方もできる
DVYは聞き馴染みのあるETFではありませんが、これまでの分配金増配、株価上昇を考えると、非常に優秀なETFであることがわかります。
ただし気になるのが経費率の高さです。単純な配当利回りやトータルリターンを考えるとVYMよりもDVYの方が良いですが、VYMの経費率は0.06%に大して、DVYは0.39%と考えると0.33%も配当利回りの差が隠れていることになります。
そのため、VYMを選ばずDVYを選ぶ積極的な理由が減ってしまうのです。
とは言え、非常に優秀なETFであることは変わりがないため、ポートフォリオの一部として取り入れるのはありです。
もちろん優先順位は低くなるかと思いますが。
FIRE(早期リタイア)を狙う人にとっては短期的な配当利回りの高さは必要になります。
DVYも比較的高配当の部類に入りますが、FIREできる最短の銘柄ではないことは頭に入れておきましょう。
最終的には長期的なリターンを狙うのか、短期的なインカムを狙うのか、またどのくらい資産を持っていて、どのタイミングで、どのくらいの配当金が欲しいか、によって投資先は変わりますので、一つの参考として捉えていただけると嬉しいです。
あとは口座開設して挑戦するだけだね!
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米国ETFに関する記事はこちらから
米国高配当ETF
1.SPYD:S&P500に採用され配当利回りTOP80銘柄で構成(配当利回り3.4〜8.5%)
2.HDV:エネルギー/通信/ヘルスケアセクター(配当利回り1.6〜4.6%)
3.VYM:400以上の銘柄で構成/リーマンショック経験済(配当利回り2.4〜3.8%)
米国指数ETF
4.VT:米国を含む先進国および新興国約47ヵ国の大型・中型・小型株約8,000銘柄で構成
5.VTI:米国市場3,500銘柄で構成
6.VOO:S&P500指数の銘柄で構成
7.QQQ:ナスダック100指数の銘柄で構成
REIT/不動産ETF
8.SRET:世界リート配当利回りTOP30で構成(配当利回り7.2〜18.2%)
9.IYR:米国不動産銘柄で構成/ブラックロック (配当利回り〜%)
10.IFGL:米国除く世界不動産銘柄で構成/ブラックロック (配当利回り2.5〜12.3%)
11.RWR:米国不動産銘柄で構成/ステートストリート(配当利回り2.4〜11.0%)
12.RWX:米国除く世界不動産銘柄で構成/ステートストリート(配当利回り2.3〜11.1%)
社債/債権ETF
13.LQD:2,000以上の社債で構成(配当利回り2.9〜5.8%)
14.AGG:主にAAAランク信用格付社債で構成(配当利回り1.9〜4.6%)
15.BND:約6割が国債で構成(配当利回り1.6〜3.9%)
その他ETF
16.VIG:連続増配10年以上の米国銘柄で構成(配当利回り1.7〜2.4%)
17.DVY:100銘柄好配当銘柄で構成(配当利回り2.9〜8.1%)
18.PFF:金融機関構成比率多め/配当利回り安定(配当利回り5.2〜14.5%)
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