米国高配当株ETFの中でも米国不動産に特化しているIYR。株とは異なる動きをすることから、分散投資の1つとして選ばれることが多いです。また米国にはデータセンターに特化した不動産など日本にはない特徴があります。私みそがIYRの基礎知識や投資タイミングなどをお伝えします。メリット・デメリットどちらも把握した上で投資をしましょうね。
IYRに投資をする時、配当利回りが高いから、とりあえず米国の不動産にも投資をしたいからと言う表面的な理由でなんとなく投資をしていないでしょうか。
高配当投資をする上では投資をする初めの時点で投資方針をしっかり確立しないと、思っていた運用とはかけ離れていた、配当利回りが思ったより低かったという結果を迎えてしまうかもしれません。
特に米国にはデータセンターや電波塔に特化した不動産投資信託など、日本に馴染みない不動産の事情があります。
IYRにおけるこれまでのデータ、そして他の高配当ETFとも比較していますので、ぜひアナタに合う銘柄であるかを確認して運用を決めてくださいね。
この記事でわかること
IYRの構成銘柄・セクター比率
株価・配当金・配当利回り推移(他高配当ETF比較あり)
IYR購入タイミング
みその分析まとめ
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目次
【IYR】iシェアーズ 米国不動産 ETFの特徴
IYR特徴まとめ
リーマンショック以降、株価はずっと右肩上がり
米国ETFの中でも高利回りだが経費率も高い
株価と分配金のトータルリターンもトップクラスだが、現状配当利回りは低め
日本とは異なる構成セクラー(電波塔・データセンターなど)
ここからは詳しく分析していきましょう。
基本情報
参考:https://www.blackrock.com/jp/individual/ja/products/239520/ishares-us-real-estate-etf
設定日:2000年6月12日
株価:82.68ドル
経費率:0.42%
配当利回り:3.26%(2019年9月〜2020年6月の分配金合算)
配当頻度:3,6,9,12月
※2020年10月3日時点
経費率は他の高配当株ETFと比べると高く、また配当利回りはそこまで高くないですが、米国不動産への投資を間接的にできるので、分散投資先としては非常に優秀です。
IFGL・IYRを組み合わせて世界の不動産へ投資する
【IFGL】iシェアーズ 先進国(除く米国)不動産 ETF
→米国を除く世界の先進国の不動産投資信託に投資ができる
【IYR】iシェアーズ 米国不動産 ETF
→米国の不動産投資信託に投資ができる
この2つを組み合わせることで、世界の不動産に投資することができるのです。
ちなみに、【RWX/RWR】の組み合わせも基本的には同じことが言えます。違いは【IFGL/IYR】はブラックロック社、【RWX/RWR】はステートストリート社が運営しているという投資運用会社の違いですね。
他にもバンガード社が【VNQI/VNQ】を提供しており、上記と同じことが言えますが、こちらは日本の証券会社では取り扱っていないので、本ブログでは割愛しております。わざわざ海外の証券口座を開いてまで運用する必要はないですからね。
構成銘柄・構成セクター比率
まずは構成銘柄から見てみましょう。
例えば、TOP5を見てみると、
「AMERICAN TOWER REIT CORP」:電波塔や基地局など、無線通信インフラのリースを行う不動産投資・管理会社。
「PROLOGIS REIT INC」:物流施設を専門に開発、所有、管理、運営しているアメリカ合衆国の不動産会社。
「CROWN CASTLE INTERNATIONAL REIT CO」:電波塔や基地局、光ファイバー網など、通信インフラのリースを行う不動産投資・管理会社。
「EQUINIX REIT INC」:データセンターの保有・リースおよび関連サービスを行う
「DIGITAL REALTY TRUST REIT INC」:データセンターの保有・リースおよび関連サービスを行う不動産投資・管理会社
構成銘柄を見てわかるように、日本でよく見かける総合型・オフィス・商業用・ホテルなどではなく、電波塔やデータセンターのREITが多く含まれていますね。この点は今後の成長性を意識することができますね。
業種別の構成比率も見てみましょう。
上図を見ても、やはり専門不動産投資信託が多く、日本で馴染みある店舗・オフィスは低いですね。住宅が2番手に来ているのは米国の住宅価格は長期的に上昇傾向であることを考えると交換が持てます。
配当金推移
リーマンショック後は分配金は増え続け、一時的に最高を更新していますね。
直近では分配金は減りつつあり、コロナショックとともに大きく減少しています。
株価と配当利回りの推移
リーマンショック時は配当利回りが異次元の高さになりましたが、基本的には3〜4%で落ち着いています。
また株価は長期的には上昇傾向にあり、リーマンショック時の底値からは3倍以上も上昇しています。そのため、配当金だけでなく、最終的には決済によるキャピタルゲインも狙うことができますね。
非常に好調なETFの1つであります。
【参考】配当利回り比較(IYR・VYM・HDV・SPYD)
有名な高配当ETFと肩を並べても遜色なく、VYMやHDVよりも大きく上回っている状態が続いていますね。
コロナショック直前では株価の上昇もあり、利回りは下がっていますが、全体的に見ても高配当ETFとして選んでも良いですね。
配当利回り比較
VYM :2.4〜3.8%
HDV :1.6〜4.6%
SPYD:3.5〜7.3%
IYR:2.5〜12.2%
上記の結果だけを考えるとIYRは魅力的で、高配当ETFとして積極的に投資をして良いと考えています。ただ配当金投資によるFIRE(早期リタイア)を目指す場合、直近の配当利回りは低いので全力投資はしづらいです。もう少し利回りが高い状態で投資を行いたいのが本音となりそうです。
【参考】トータルリターン比較(IYR・VYM・HDV・SPYD)
2015年SPYDが運用されてからの比較をしていますが、IYRのトータルリターンはコロナショック後でトップに立ちました。それだけ株価の下落は他の高配当ETFと比べて小さかったことがわかります。非常にディフェンシブな銘柄ですね。
もし、直近の配当利回りを求めるのであれば、SPYDが選択肢に挙がるかと思います。ただトータルリターンを求めるのであれば、VYMと並んでIYRも主力としても遜色ありません。現在のIYR配当利回りが低いので少し投資しづらいですが。
FIREのため短期的な分配金が欲しいのか、長期的なリターンを狙うのか、投資目的によってIYRに投資するかは判断しましょう。
IYR購入タイミングの目安
購入タイミング
毎月決まった金額を機械的に購入する
安くなった時にまとめて購入する
一番簡単なのが定期積立ですね。例えば毎月25日(給料が入った直後)3万円分購入する。このようにすれば相場の上下に影響されることなく、投資をすることができます。
特に今回コロナショックを目の当たりした人はわかると思いますが、いつ底なのかがわからないんですよね。二番底が来ると思ったら、この記事執筆時点では大きな二番底はきていません。そのため人の判断が伴わない機械的に投資をするということも評価されています。
一方、安くなった時にまとめて購入するのは王道ですね。もし2020年3月23日の大底で大きく購入することができたら配当利回りだけでなく含み益も多く発生しています。
ただしそんなことは難しいと思うので、基準としては配当利回りが4%を超えたタイミングが目安ですね。配当利回りの推移を見ても4%は定期的に発生しますので定期積立とはならなくても、細かくまとめ買いができるタイミングとなります。
【IYR】みその分析まとめ
IYR分析まとめ
配当金投資によるセミリタイアを狙うのであれば投資OK
株価も長期的に上昇しているため、インカムだけでなくキャピタルゲインも狙える
ただし直近では配当利回りが低いので、投資タイミングは見計らうべき
もちろん高配当ということもありますがIYRの最大の強みは、米国不動産へ間接的に投資ができるということです。
単純な高配当であれば、高配当銘柄を集めたSPYDなどの高配当ETFが良いのではないかと思いますが、不動産への投資をすることで株以外の銘柄(米国REIT=IYR)にも分散投資することができます。
トータルリターンを狙うのであれば、IYRが主力に据えても問題ないように見えますが、現時点では配当利回りが低いことを考えると、現在は少しタイミングを待つ状態ではないかと考えています。
FIRE(早期リタイア)を狙う人にとっては短期的な配当利回りの高さは必要になりますからね。
また米国を除く世界不動産へ投資できるIFGLも並行して投資するという手段もあります。IFGLについては人を選ぶ銘柄になりますが、ぜひ参考にしてください。
さらには、【RWX/RWR】か【IFGL/IYR】のどちらの組み合わせが良いのか気になる人もいるかと思いますが、みその結論としては【IFGL/IYR】の方が良いですね。トータルの経費率や配当利回り、トータルリターンなどを考えると、やや【IFGL/IYR】が優勢です。
正直、好みもあるかと思いますが、現状のリターンを見ると【IFGL/IYR】という結論になるかと思います。
最終的には長期的なリターンを狙うのか、短期的なインカムを狙うのか、またどのくらい資産を持っていて、どのタイミングで、どのくらいの配当金が欲しいか、によって投資先は変わりますので、一つの参考として捉えていただけると嬉しいです。
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米国ETFに関する記事はこちらから
米国高配当ETF
1.SPYD:S&P500に採用され配当利回りTOP80銘柄で構成(配当利回り3.4〜8.5%)
2.HDV:エネルギー/通信/ヘルスケアセクター(配当利回り1.6〜4.6%)
3.VYM:400以上の銘柄で構成/リーマンショック経験済(配当利回り2.4〜3.8%)
米国指数ETF
4.VT:米国を含む先進国および新興国約47ヵ国の大型・中型・小型株約8,000銘柄で構成
5.VTI:米国市場3,500銘柄で構成
6.VOO:S&P500指数の銘柄で構成
7.QQQ:ナスダック100指数の銘柄で構成
REIT/不動産ETF
8.SRET:世界リート配当利回りTOP30で構成(配当利回り7.2〜18.2%)
9.IYR:米国不動産銘柄で構成/ブラックロック (配当利回り〜%)
10.IFGL:米国除く世界不動産銘柄で構成/ブラックロック (配当利回り2.5〜12.3%)
11.RWR:米国不動産銘柄で構成/ステートストリート(配当利回り2.4〜11.0%)
12.RWX:米国除く世界不動産銘柄で構成/ステートストリート(配当利回り2.3〜11.1%)
社債/債権ETF
13.LQD:2,000以上の社債で構成(配当利回り2.9〜5.8%)
14.AGG:主にAAAランク信用格付社債で構成(配当利回り1.9〜4.6%)
15.BND:約6割が国債で構成(配当利回り1.6〜3.9%)
その他ETF
16.VIG:連続増配10年以上の米国銘柄で構成(配当利回り1.7〜2.4%)
17.DVY:100銘柄好配当銘柄で構成(配当利回り2.9〜8.1%)
18.PFF:金融機関構成比率多め/配当利回り安定(配当利回り5.2〜14.5%)
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